も う 冬 な の か

部屋が寒い。
Thinkpadパームレストは逆に暖かい。私の左腕の真下にはHGSTの1.8インチHDD.

それにしても寒い。
まだ10月というのに。

秋はどうした。もう冬なのか。



ああ寒い。

PentiumDが欲しい。

ぷれすこっと のPentiumDが欲しい。

暖を取りたい。さもないと死んでしまう。

ああ

さむ .....い。


このThinkPadの電池が切れたらすぐさま熱が逃げて死んでしまうだろう。

ヘタったバッテリの残量はのこり30分。
あの緑のゲージがオレンジに変わるまでは大丈夫だろう。
すでにゲージの隣には警告マークが表示されている。
"初期状態の15パーセントの残量です"





ああ、PentiumDが欲しい。


そう思いながら、シリコングリスを少し出す。

ああ、この白いねちょねちょがTDPぎりぎりまで温まるのか。。。
なんだか心が安らいだ気がする。
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もうすこしシリコングリスを絞り出してみた。
こんどはねちょねちょが少し広がる。
センターウンコ式塗布で効率良く室内に熱を放出して暖が取れるのか。。。
だいぶ心が安らいだ気がする。
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しかしそれは、つかの間の安らぎであった。
.
容赦ない冬の寒さは、私の体温を急速に奪っていった。
止まらないくしゃみ。もはやそれはアレルギーによるものなのか風邪によるものなのか分からなくなっていた。
寒さは限界になっていた。もうダメかもしれない。
電池の残量ゲージも一桁になった。
私はシリコングリスを最後まで絞り出した。最後の力を使い、一気に絞り出す。
辺りには大量の白く、ねちょねちょとした粘性を持つ液体が散らばった。
貧乏なので銀入りグリスは買えない。だから白いシリコングリス。
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シリコングリスが空になった。
ほぼ同時にバッテリもなくなった。
もう成すすべもない。ただ自然の法則に従うのみ。